これはアウト

http://www.asahi.com/articles/ASG3C72D1G3CULZU00Q.html
STAP細胞の論文のfigureの使い回しが問題になって、論文徹底か?というニュースが出ておりますが、個人的にはこちらのほうがはるかに大問題。博士論文の何割かが盗用となると博士号撤回もあり得るんじゃ?
自分はこの辺本当に厳しい教育を受けたので「引用元は明記」「引用文から4単語以上拝借するならダブルクォーテーションで囲む」などは当然だと認識してるんですが…早稲田じゃそうじゃないのか?というより、学生が明らかに実力と異なる文章を出してきたら、指導教官はツッコまないのか?! ありえない…
【追記】


博士論文は2011年2月付。動物の体中から万能性をもつ幹細胞を見つけ出すもので、STAP細胞の論文ではない。章別に参考文献リストがある。たとえば、第3章では本文に引用の印がないのに、文献リストには38件分の著者名、題名、雑誌名、ページが列挙されている。これは10年に台湾の病院の研究者らが医学誌で発表した論文の文献リスト53件のうち、1〜38番とほぼ一致した。博士論文では一部文字化けしている文字があり、コピー・アンド・ペースト(切りばり、コピペ)の可能性がある。リストは著者名のABC順。元論文の38番はPで始まる姓のため、ありふれたSやTで始まる著者名が博士論文にはないという不自然さがあった。

 普通の論文では本文で文献を参照した箇所に(1)などの番号を添えるが、図を除いて5ページある第3章の本文にはこのような番号はつけられていない。このため、意味不明な参考文献リストになっている。
終わったな。本文中に引用番号がないのに引用文献のリスト。しかも文字化け。残念ながら小保方氏の学位は剥奪したほうがよさそうです。それと早稲田大学の指導教官、および学位審査関係者は早めに申し開きをしたほうがいいのではないでしょうか。
とはいえ、小保方氏の研究倫理の有無と、STAP細胞の信憑性は切り分けて考えるべきです。ハーバード大の共同研究先ではどうなっているのか不明ですが、そちらの研究が健全に行われているのであれば、追って「正しい」学術論文が発表されるでしょう。

米国ワシントン州で無脳症の出産が増えている

ワシントン州の田舎地区で無脳症の子の出産が増えている
Mysterious cluster of birth defects stumps doctors - CNN.com
アメリカ西海岸の一部地域で無脳症出生率が、国全体の比較して4倍になっているそうです。CNNの記事を読む限りでは疫学的調査はあまり進んでないような…気になるニュースなので今後も注目していきます。

NatureがSTAP細胞の論文の調査へ

Acid-bath stem-cell study under investigation : Nature News & Comment
STAP細胞の論文のFigureの一部に不自然な点がある、という話題は、理研が「論文の成果そのものはゆるがない」としつつ調査を始め、今度は掲載ジャーナルのNatureが調査に乗り出しました。Natureの方は、世界のトップ研究者10人にリクエストして、誰も小保方先生の研究内容の再現ができなかったことも重要視しているようです。これは調査に時間がかかりそうだ。

STAP雑感

STAP関連の英語記事を求め、英語のメジャー新聞サイトをザッピングしました(仕事しろ>俺)。コメント450件とかついてて海外でも注目されてるのがわかったのですが、そのうちの何割か「で、クリスチャンの奴らはどうやってコレ扱うんだw」だったので軽いカルチャーショック。クリスチャンといってもカソリック教皇がiPS細胞を認めてるので、アメリカを中止とした福音派でしょう。彼らは進化論すら認めてませんからね。
翻って我が国は、研究の重大さより小保方研の壁の色だのラボコート代わりの割烹着が話題に…どちらの国も同じくらい業が深そうだ。

STAP細胞

昨晩おそくに第一報を耳にしビックリ。本当なのか??とりあえず論文を読んでから考える。
【追記】
オリジナル論文→Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency. Obokata H, et al. Nature. 2014. 505(641–647).
Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency. Obokata H, et al. Nature. 2014. 505(676–680).
すげぇ2報同時掲載だ! 1報目がマウス体細胞の弱酸性刺激による分化初期化 STAP、2報目がSTAPの万能性について。まだアブストに目を通した段階ですが、pH刺激が、どうやってか多様化遺伝子Oct4の制御領域のメチル化を減らしてるらしい。
ES細胞のように受精卵を犠牲にせず、iPS細胞のように遺伝子操作でもないから癌化リスクも低そう。しかもニュース記事によると、既存の万能細胞化手法より安易な手法で早く成功率も高い*1とか。信じがたいですが本当に新技術らしいです。BBCの記事に'my God that's a game changer!'という研究者のコメントがありますが、これは生物学の根本をひっくり返す大発見です。小保方先生、共同研究者のみなさん、おめでとうございます。

*1:iPS細胞で1%の成功率だそうだ