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男性の「はげ」の原因となる2種類の遺伝的変異を特定したとする研究結果が、12日の科学誌ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)電子版に掲載された。これらの遺伝的変異が存在すると、はげ(男性ホルモン性脱毛症)になるリスクは7倍高まるという。
 英国、アイスランド、スイス、オランダの科学者が参加する研究チームが、ヨーロッパ系の白人男性1125人を対象に遺伝子を調査した結果、7人に1人で第20染色体のDNAに2つの変異体があることが判明した。

Nature Genetics電子版には2報出てますね。
Susceptibility variants for male-pattern baldness on chromosome 20p11. Hillmer et al. Nature Genetics Published online: 12 October 2008.
Male-pattern baldness susceptibility locus at 20p11. Richards et al. Nature Genetics Published online: 12 October 2008.
前者が独国ボン大学の研究チームが、白人男性ケース296人 対 コントロール347人を比較。後者が英国ンドン大学キングスカレッジの研究チームがスイス人男性ケース578人 対 コントロール547人+英国人コホートで追試。両チームとも20番染色体短腕の同じ領域にたどり着いてますが、有意だと報告しているSNPは被ってないようです。でもまぁ異なるチームから同じ結果報告が出たんですから、20番染色体短腕に原因遺伝子があるんでしょう。ここまで来たら機能研究から治療薬の開発まであとちょっと。早くしてくれ。

アルコールは○○を縮小させます

研究チームでは、適量のアルコールにより加齢によって進む脳容積の減少を食い止めることが可能かを検証しようとしたが、結果は不可能だったという。

 同研究によると、生涯にわたって酒を飲まなかった人々が最も脳容積の減少が少なかった。続いて、過去に飲酒していたが今は飲まない人々、現在適度な飲酒をする人々、現在大量に飲酒する人々の順で、脳容量の減少の割合が少なかった。

オリジナル論文→Association of Alcohol Consumption With Brain Volume in the Framingham Study. Paul et al. Archives of Neurology. 2008;65(10):1363-1367.
みんな薄々わかってたとは思いますが、飲酒が脳を縮小させるのは避けようがないそうです。心疾患では少量飲めばリスクも小さくなるのですが、脳においては量の大小の関わりなく、酒を飲むと脳が小さくなると。こりゃ仕方ないねー。あまりの絶望さにロイターも「世界のこぼれ話」に入れた模様です。
【追記】
Yahooトップ キター
アルコール、飲むほどに脳が縮小=米研究(ロイター) - Yahoo!ニュース

券売機を減らすと排除される人たち

スイカ普及、消える都心の券売機 跡地活用にJR意欲- トラベル
JRってSuica作成時に500円もブンだくっておいて、次は券売機を減らそうとしてるのか。どんだけ強欲なんだよ。普段の生活ではANA PiTaPaカードを使ってる身として、関東のJR駅で券売機がなくなると困るんだよなぁ。自分はまだ古いSuica定期を持ってるからマシな方だと思うけど。思い出したのはこのエントリ。これは公衆電話の話だけれど、JR東日本の券売機も同じ道を辿るのは実に残念。

たぶんこの不便さは日本地元の人間にはわからんのだろーな、と思う。このような事態をなんていえばいいのかな。技術の発達でローカルには便利になるけれど、部外者が排除される、というような事態。うまい言葉が思いつかない。

上司命令で休ませるのが一番

重要なデータがあります。スペイン型インフルエンザが大流行した時の都市ごとの致死率を表したものです。米国のフィラデルフィアピッツバーグセントルイスパンデミックが起きた後の対策の取り方で、この3都市の致死率には大きな差が出ました。

 最も致死率が高かったフィラデルフィアでは、インフルエンザ発生後、特に強い対策は取られなかったようです。それに対して、フィラデルフィアの半分の致死率に収まったピッツバーグの場合、劇場やサロンの閉鎖、スポーツ大会の延期、教会の閉鎖など1カ月にわたって段階的に対策を取りました。

 そして、最も致死率が低かったセントルイス。この都市は最初の死者が出た後、わずか数日で劇場や映画館、学校、プール、ビリヤードホール、ダンスホールなど人が集まる場所を一気に閉鎖してしまった。この閉鎖を解除したのは1カ月半後でした。

 この間、市民は相当の迷惑さ、不便さを感じたでしょう。しかし、結果的に死者は少なくて済んだ。これは、医療だけではなく、市民の理解と協力次第で市民自身が助かるということです。(中略)
先日、感染研では「JR山手線を止めれば、発生がある程度抑えられる」という理論的モデルを出しました。このモデルに対して、「山手線を止める気か」という声もありました。私たちもそれは現実的ではないと考えていますが、効果があるのであれば、現実的な議論も必要になるのではないでしょうか。

新型インフルエンザに限らず、感染力の強い伝染病が流行したら、行政としては人混みになりそうな場所を一斉封鎖するのが一番効果的らしいです。そりゃ確かに。日本、特に首都圏では人混みを避けること自体が難しいですが、通勤ラッシュを分散するなどの実現可能な対策はあるはずです。
しかし一番大事なのは庶民の心持ちと会社の対応なのではないでしょうか。

仕事熱心な人であればあるほど、仕事へのプライドもありますし、オレがいなきゃダメだ、という思いも強いでしょう。
 ところが、感染症を前にした時はその考えが危ない。熱があって具合の悪い人が無理に会社に出てくると、ほかの人にうつしてしまう可能性が高くなります。さぼりを勧めるわけではありませんが、具合の悪い時は早めに休んで、早く治してから復帰していただく。社会全体が病気になったら早めに休むという雰囲気にならないといけませんね。

「オレ体調悪いのに出勤してエラクね?」という間違った自慢がまかり通る文化をまずなんとかしなくては。無理を押して会社に出てきた結果、おたふく風邪水疱瘡が同僚の間で大流行した、という話は知人からポツポツ聞いたことがあります。これが致死率の高いインフルエンザだったら・・・と思うとガクガクブルブル。大体インフルエンザなんて法定伝染病だから出てくんじゃねーよ、と思ったんですが法定伝染病という制度自体が10年前に廃止されていたんですね。全然知らなかったー。だとしたら来たるべき新型インフルエンザに備えて、感染力の高い伝染病に罹った社員はやすませる義務を会社に負わせる法律を作ればいいのでは?

たいへんだ!

食に関わる仕事をしていると、「ちょっとでも悪いものは食べものに入っていて欲しくない」と言う人がわりといます。でも、前のエントリー でも書いたように、大騒ぎされた中国産のキクラゲは21666家族(4人)分の量をひとりでイッキ食いしないと、何も起きません。それも毎日。

「ちょっとでも悪いものは食べものに入っていて欲しくない」だって?じゃいいことを教えてやろう。まず塩分は高血圧の原因、ひいては心疾患を引き起こすから一切入れちゃ駄目だ。それから酒も脳が縮小するから一切控えろ。あと水も水中毒を引き起こす危険性があるから止めておけ。これで健康に一歩近づけるぞ!