STAP細胞とは、なんだったのか?

ネイチャー STAP論文を正式取り下げ NHKニュース
世紀の大発見、ノーベル賞級の研究成果として華々しく記者会見が開かれてから5ヶ月。ついにNatureの論文が取り下げられました。ここまできたら本件の大勢は確定したと思うので、簡単に雑感をしるしておきます。

  • 理系と「それ以外」の人たちとの隔絶: 論文の不備、実験ノートの不在など、理系からすれば早々に小保方氏の怪しさが露見してました。しかし理系以外の人たちは、4月の会見の時点でも小保方氏の潔白を信じてるような世論だったのが、個人的には驚きです。「なんかよぉわからんけど、若い女性が涙ながらに訴えて可哀想。イジメはやめろ」って風潮は、とても理解できません…が、この国の大多数はこちら側のようですね。
  • 研究業界、アカデミアへの不信感: Natureに載ったんだから、天下の理研の記者会見だから、早稲田で学位を取得してハーバードに留学してたんだから…という、アカデミアにおける信頼をことごとく粉砕。理研への特別予算は決定直前に白紙に戻され、CDBはセンターごと潰されそうです。小保方氏の学位審査〜理研採用〜ユニットリーダー就任まではともかく、STAP細胞論文の疑義対応がマズすきました。
  • 真面目に頑張ってる研究者への打撃: 博士号を目指して破れていった学生、ポスドクのまま次の職が見つからない・研究費が通らない研究者は、小保方氏を見て忸怩たる思いでしょう。自分も学位を諦めアカデミアを去った身として、氏の学位論文コピペを聞いたときは内心怒り心頭でした。真面目にやってる人が報われるべきとまでは言いませんが、不正を働いた人が報われる業界はいずれ廃れます。有能な研究者から理研に見切りをつけ、有能な学生はアカデミアに近づかなくなるのは、当然の流れでしょう。

つらつらと書きましたが、日本のアカデミアの暗部の結晶が小保方氏のSTAP細胞騒動だったのではないでしょうか。