集団検診≒ガン早期発見?
「早期発見・早期治療でがんは治る」という医療保険の“神話”
集団検診をやめた長野県泰阜村が考えたこと
読んでて釈然としなかった記事です。確かに、自治体による通り一遍の集団検診では、見落としも多いでしょう。だからといって「不要だ、やらなくていい」とはならないはずです。副題にある長野県泰阜村だって、集団検診をやめっぱなしではなく、診療所での対個人検診をしたからこそ、よりよい結果が出たとか。その割に誤解を招きかねないタイトルですね。
しかし、記事の最後のくだりには賛成します。検査ばっかに注目して肝心の健康保全におざなりでは本末転倒。健康診断の直前だけ禁酒したって普段に深酒してたら無意味ですから。
「CT検査よりもタバコをやめる方が効果がある」
ある外科医の方は「しょっちゅうCT検査をしてほしいと言ってくる人がいるが、そんなことよりタバコをやめるほうがよほど効果がある」とおっしゃいます。また別のがん専門医の方は「まるで人間は死ぬことがないとでも思っているようだ」とおっしゃいます。思い通りの結果が得られないために医師に対して疑心暗鬼になり、その軋轢が崩壊寸前と言われる現場をますます混乱させるケースもあるようです。泰阜村ですべての集団検診をやめる決断をした当時、中心的役割を果たした網野皓之医師は、「なぜ医療に幻想を抱くのか」と問いかけます。「現代医療と呪術との間にどの程度の差があるのか。自然治癒がなければ医療は役立たず」であるとも。
「錯誤相関」
要するに「すごいぞ、やっぱりラピュタは存在するんだ!」ってことですか?(違
錯誤相関(英語ではillusory correlation)とは、相関があると思い込んでしまうこと、錯覚による相関です。例えば、あなたが、初めての旅行先で道に迷って途方に暮れていたところ、通りすがりの地元の人が目的地まで連れて行ってくれたとします。たまたま通りすがりの人が親切だっただけかもしれませんが、あなたは、「この土地の人はなんて親切なんだろう」と思うのではないでしょうか。このケースでは、初めての旅行先で「情報が少なく」、誰かに助けてもらいたいという「期待」があったところへ、わざわざ目的地まで連れて行ってくれるという「稀な」やさしさに出会ったのですから、錯誤相関が生じる条件を十分に満たしています。芸能人が不祥事を起こしたときに「やっぱりね」なんて思うのも、ジンクスを信じるのも、錯誤相関によることが多いと思います。
データ分析をしていて、僅かな違いに意味を見出すのも、違いがあるのに無視してしまうのも錯誤相関のなせる業かもしれません。
錯誤相関 - Wikipedia
「正常化の偏見」の親戚みたいなものか?と思って調べたら、正常化の偏見は英語でnormalcy biasって言うんですね。げにおもしろきはヒトの心理なり。