感動の出どころ

一般紙がスポーツ新聞に“変身”した2週間。“日替わり金メダル”が次々に登場して「ここだけの話」を収容するスペースもなく、2回休載した。「暇になった」と喜んでいたが、深夜のオリンピック中継で、金メダルの数だけ寝不足になった。 「でも、それほど感動しなかった金もあったなあ」と友人が言う。 えっ、日本人のくせに感動しない? 「非国民と言われそうだが、柔道の女子78キロ超級、おれ、感動しなかったんだ」と恐る恐るつぶやく。

そんなばかな。自国選手が金メダル取ったら、すべからく感動しなくちゃ『非国民』ですか。じゃオリンピックを一回も観戦しなかった私は非国民を通り越して非人ですな。
大体からして、なぜ自国の選手がオリンピックで活躍することに執着する理由が全然わかりません。競技で全力を出し切れるように応援するならわかりますが。メダルの獲得数が国力だって? だったらキレイゴト言うのは止めてメダル数のノルマを課しましょうよ。その一方で「頑張る姿に勇気付けられました。感動をありがとう!」なんて矛盾しまくり。しかも、その感動ってメダルの色とやらに比例するようで。非人でもいい、そんな感動にはついていけません。