失言にも程がある

こんな話がある。 以前、母が病に倒れ手術することになった時のことだ。 業務上つながりを持つ人物に、楽観視できない母の状態と、自分も身の回りの世話などで会社を休みがちになる旨を伝えたところ、彼はこういった。 『喪服を用意しておかなきゃな』  一瞬、『?』と思った。そして耳を疑った。聞き間違いであって欲しいが明らかにそう言った。 『すごい事を言うもんだなぁ』と思い、しげしげと顔を見ると悪意はない様子だ。自分の言った事の重大さに気が付いていないようなのである。  通常だったら社交辞令でも『早く良くなるといいですね』とか『大変ですね』と言うものだろう。しかし、何気なくボソッと母の死を前提とする発言をしてしまう彼。もちろん成人した立派な大人、社会人である。  平気で、しかも自然にこの様な言葉が出てしまうのは恐らく、会話を掌る検証機能がマヒしているか未発達のまま成長してしまったのだろう。 たぶん幼少期、『こういうことを言うとダメだよ』と諭してくれる人(普通は親)に恵まれなかったのだ。  もはやこういう大人には何を言ってもダメである。 以来その事が妙に頭に引っかかり、彼とは意識して距離を置くようにしている。

すっげぇなぁ。これは「しゃべるのに向いてない」どころか「人付き合いに向いてない」んじゃないでしょうか。『意識して距離を置く』以外に自衛の方法がないのもタチが悪い。
しかし、ある意味この彼も可哀想な人ではありますね。周りに指摘してくれる人がいなかったんだから。こういう人は一生直らないか、運良く「絶対に忘れられない大チョンボ」をして直るか。どちらが幸せなんでしょうか。