テレビの健康情報害

高橋教授は、健康食品情報のある一断片に対して過剰に反応し、大げさに捉え、振り回されてしまうことを「フードファディズム」として、警鐘を鳴らし続けている。振り回される消費者にも問題があるが、玉石混交の情報を洪水のように出し続けるマスコミや食関係者にも、問題があるだろう。第59回日本栄養・食糧学会が終了した翌日、日本テレビ系列の「おもいッきりテレビ」は、「今日のテーマはこれです。よいしょ。昨日終わったばかり。日本栄養・食糧学会!」と学会の要旨集を手にしたタレントのみのもんた氏のアップ映像で始まった。「学会で発表された最新情報」として4題が紹介されたのだ。うち1題は、鶏肉に含まれるカルノシンという物質に老化予防効果が示唆されたという発表。ただし、4題とも動物実験以前の研究で、ヒトが対象の臨床試験を経なければ、科学的には「○○(食品名)を食べると、○○(病名)が予防できる」と言えるものではない。それがみの氏にかかると、「奥さん! ボケ感じたら、鶏の唐揚げ食べてねっ。治るから」となる。親しげな口調に、全国の奥さんたちはすっかりその気になってしまうだろう。

非常に難しい問題だなぁと思います。この記事で論じられている「テレビの健康情報を簡単に信じる視聴者」は、別にみのもんたが勧めるからでも著名な学者がコメントするからでもなく、テレビで取り上げられたから信じるのでは? どんなゴシップでもニュースでも「こないだテレビでやってた○○だから」疑いもなく受け入れる人たちは日本に限らずいます。こういう「素直な」視聴者に対してメディアリテラシーを説いても届かないでしょうから、どうしたらいいのか全然思いつきません。