ジョークとしてのWestern Blot

ちゃめっ気があるのか、それとも科学が身近だからなのか。英語圏の科学用語に、日本との違いを感じることがある。 たとえば最近、米国で2頭目のBSE(牛海綿状脳症)感染牛にからんで取りざたされたウエスタンブロット法。プリオンのようなたんぱく質の検出に用いる手法だが、その命名はほとんどジョークだ。 75年に開発されたDNA検出法は、開発者のサザン氏にちなんでサザンブロットと名づけられた。RNAの検出法が開発されると、サザン(南)に対応してノーザン(北)ブロットと命名された。南、北とくれば、次は西、とばかりに名づけたのがウエスタンブロットだというのだ。 専門用語や科学の概念を遊べるのは科学が西欧で発達してきたからかもしれない。であれば、日本は用語を身近にする工夫がいるのではないか。

全国新聞にウェスタン・ブロットが載るとはねぇ・・・感慨深いです。分子生物学で茶目っ気のある命名といえば、ストップコドン変異の琥珀/オパール/オーカーもありますよ。考えてみるとこの分野は、科学ほど命名規則がうるさく決まってなくて遊ぶ余裕があるからかもしれません。