Scienceが選ぶ今年の十大論文

科学誌サイエンスは21日号で2007年の科学進歩ベスト10を発表し、ヒトの遺伝的多様性の解明の進展がトップ、京都大の山中伸弥教授らと米ウィスコンシン大チームによるヒト人工多能性幹(iPS)細胞の作成が2位に選ばれた。
3位以下は次の通り。
 (3)宇宙線の起源は活動銀河核と判明(4)医薬品開発に役立つ「Gたんぱく質共役受容体」の構造解明(5)シリコンを超える半導体新素材開発(6)コンピューターへの応用が期待される「量子スピンホール効果」確認(7)ワクチン改良に役立つT細胞分裂の詳細解明(8)医薬品化合物の低コスト合成法開発(9)脳の海馬が記憶や想像に果たす役割解明(10)「チェッカー」ゲーム解明。

昨日のNatureに続き、今度はScience。オリジナル記事では2位以降は確認できないのですが、1位はヒトゲノムの個人医療への応用でした。今年はベンダー博士やワトソン博士といった個人のゲノム解読論文が発表されたり、遺伝多型やハプロタイプの医療への応用が実現化へ一歩進んだりしましたからね。Science編集長が"it is not about THE human genome (as if there were only one!). Instead, it is about your particular genome...."とコメントしてるように、今までヒトゲノムはあたかも確定された固定配列のような概念でしたが、2007年以降は個々人のゲノムとして研究されるようになりました。