ニュースのワイドショー化

 ワイドショーをワイドショーたらしめているところは、それはNHKのニュースでは絶対に触れないようなところを深く掘り下げていってくれるところだ。(中略)
 ありていに言えば、猟奇的事件や、親族内での事件、学校関係の不祥事、そのへんの背景や周辺を掘り下げてくれるところです。ま、おばさんの興味本位に作られていて、「こんな事件を二度と起こしてはいけません」というセリフさえ立てておけば、あとはいったい何が起こったんだろうという興味を満たせてくれる方向に深まってゆくもので、そういう興味というのはこれは人間本来持っている業のようなものだけど、それを満足させてくれればよかったのだ。
 ワイドショーのような、昭和の主婦の欲望をきちんと満たしてくれた番組は、時代の流れから消えていってしまって、もうちょっときれいに仕上げられたニュースショーになって残ってる。

事実を淡々と伝えてくれるのはNHKニュース7ぐらいで、それも仕事の関係上見るのは難しい。帰宅してから見られる「ニュース」は、NHKニュース9にしろ報道ステーションにしろ「どうしてこうもワイドショーっぽいんだ?!」と思ってました。その裏には午後にやってたワイドショーがなくなっていたんですね。アレがなくなるのは良いことだと思いますが、その副作用として「ニュース」が「ニュースショー」に仕立て上げられるのだとしたら、逆にマズいでしょう。「ニュース」と「ワイドショー」はキチンと区切ってもらわないと、リテラシーの低い視聴者は「ニュース」でやってたから本当なんだと思い込んでしまいますよ?