日中に著しい眠気を感じる病気「過眠症(ナルコレプシー)」に関連した新たな遺伝子を、東京大の徳永勝士教授(人類遺伝学)らのグループが発見した。(中略)
  過眠症は日本人の約600人に1人が発症し、日中に激しい眠気を感じたり、突然全身が脱力したりする病気。遺伝的な原因とストレスなど周囲の環境が発症の原因と考えられているが、詳しい仕組みは不明で、根本的治療法もない。研究チームは健常者と患者との間で、50万か所のDNAのわずかな差(1塩基多型=SNP)を網羅的に調査。その結果、22番染色体の1か所に変異があると、過眠症に約1・8倍なりやすくなることを突き止めた。韓国人でも同じ変異が過眠症と関連していた。
 この変異があると、睡眠に関係のある遺伝子「CPT1B」など2個の遺伝子の働きが悪くなることも分かった。

オリジナル論文→ Variant between CPT1B and CHKB associated with susceptibility to narcolepsy. Miyagawa Tet al. Nature Genetics 28 September 2008
Published online: 28 September 2008 | doi:10.1038/ng.231
ナルコレプシーって日本人で600人に1人もいるんだ! 論文の方は1st GWASに日本人患者222人 対 日本人健常者389人、2nd スクリーニングに日本人患者159人 対 日本人健常者190人、追試で韓国人424人、ヨーロッパ系785人、アフリカ系184人のSNPを調査したそうです。これだけやって、さらに見つかった遺伝子の機能解析までやればNat Genも当然、という論文でした。