アメリカの研究者と昨今の情勢を話したよ
アメリカの学生が今のアメリカをどう見ているのか参考になれば。 - クボケーの日記
http://d.hatena.ne.jp/keikubo/20081001/1222839067
学会参加の為に３泊５日で来日したアメリカ研究者*1と、ビール片手に昨今のアメリカ･日本の情勢を話したのでメモ。以下、取り留めのない四方山話です。
初っ端に財布からWashington Mutualのキャッシュカードを見せて｢僕が出張に来るときはまだあったんだ、でも今はもう倒産してなくなった｣というヘビージャブからスタート。
アメリカ人(以下米):経済破綻については悲観してる。でも税金投入してWall Streetを救済するのはフェアじゃないよね。20年前は日本が世界を買収すると思ってたけど、今の日本はどうなのさ？もう景気は回復した？
俺(以下日):政府は回復したって言ってるけど庶民は実感してないよ。やっぱり国民がお金を使わないから循環しないのが原因じゃないかな
米:少子化はどうだい。アメリカじゃDQNが子沢山で、俺の回りは１人がせいぜいだ。子ども１人につき年間1000ドルの補助が出るんだけど
日:そりゃ羨ましいね。日本もひどい少子化で補助はゼロも同然。高齢者が多いから政治家はそっちばっか向いてて若者向けの手当ては惨憺たるモノだ
米: DQNだけ子沢山って状態が続いたら、社会全体が早晩DQNになっちゃうよ("Dummer people get more children, then the whole society gets dummer soon")
日:もしかしてソレは選択圧じゃない？
米:そうかも。考えなしで子どもを作れないし("Maybe we got too smart to be reproductive") ところでアメリカの大統領選挙はこっちでも少しは報道されてる？
日:少しはなんてもんじゃないよ。興味津々。どっちが勝つと思う？
米:オバマだね
日:オバマのどこがいいの？
米:若くてスピーチが上手い
日:それだけ？
米:ようするにBushじゃなきゃ誰でもいいのさ
日:だったら２択だね。"Not Bush"と"Not Bush"じゃん
米:でもマケインはBushとよく似てるし
日:ペイリンはどう思われてるの？
米:あいつはマズい("She's scary!") 17歳の長女が妊娠してるんだぜ。信じられるか？
日:カソリックだからじゃないの？
米:カソリックじゃなくて福音派。どっちにしてもExtreme Christianは怖いよ
（バイオ、統計、バイオインフォの話になって）
米:生物専攻で必要なことを教えなさ過ぎる。キミ学部で微分･積分は必須だった？統計は？プログラミングは？
日:俺はアメリカの大学だったけど全部必須だった
米:そりゃ珍しい。生物専攻の奴は微分･積分はとってても統計が弱すぎる。物理専攻なら微積は使うだろうけど生物じゃ無用の長物だよ。それぐらいだったらプログラミングを教えてくれって思うね。実験する人はデータが出たらインフォマティシャンのところに行って処理をお願いしないと何もできないのはマズいよ
日:そりゃそうだけど必須科目が多すぎて余裕がなさすぎ
米:そうなんだよなー。実験なんて自動化がどんどん進んでて、これからはテクニシャン１人いればデータがじゃんじゃん出てくるよ。僕らの今回の発表だって、実験は３週間で、残りはデータ処理と数式の組み立てだったもん
日:バイオインフォマティシャンは(スライドでは)１人しか書いてなかったけど？
米:他に俺ともう１人。使える奴が１人いれば、使えない奴８人雇うのと同じだ。でもプログラミングできる奴はみんなIT企業に行っちゃうから人手不足なんだよ。だってバイオインフォで６万ドル貰えるのと、GoogleやMy Spaceで12万ドル貰えるんじゃ、どっちに行くかは明白だろ？
日:そうだね。どこも人手不足は変わんないか
他にも移民問題とか色々と話したんですが、トピックがあちこち飛びすぎてまとめられませんでした。あとこれはFalse positiveだそうです。パーキンソン病については発症確率が80%なんて強い相関のSNPはないのに、実験隊が間違って渡したのでは？だそうです。久しぶりに英語で雑談ができて良い刺激になりました。
