ベッドに空きがない

「そのベッドは空いているだろう。どこが満床なのか」と感じる患者さんがいることは理解できる。しかし、「誰が見ても空いてる空床があるのに本当は満床」ということはある。たとえば、入院患者さんが外泊しているときや、既に予約が入っているとき。新規に入院させたい患者さんが一泊入院で済むのであれば先約のあるベッドにでも入院はさせられるし、むしろそうしたほうが経営的に好ましい。だけど、退院の見込みがつかない患者さんを入院させてしまうと、今度は入院を予定していた患者さんに迷惑がかかる。

医療崩壊で一般人に伝わりにくい用語の1つに「ベッドに空きがない」というのがあると思います。「じゃあ廊下にでも寝かせろ!」という脊髄反射mixi日記から国会議員から、どっかの大臣まで言ってます。実に誤解を招きやすい。
かといって、上に書いたような脊髄反射する人って、「6つのベッドに8人の患者」って状態もケシカラン!って怒り出しそう。病院のベッドは工業製品じゃないからカンバン方式みたいにピッタリ100%にはならないんです。

3回の要請を断った郡山市内の病院は、「当時、集中治療室は、通常使っている6つのベッドに対して8人の患者がいる状態で対応できなかった」と説明しています。