iPS細胞研究は亡者の墓場になりつつある

問題は大きく三つ。

1.予算の問題

2.周縁専門家の育成不足

3.雇用不安

これiPS細胞研究限定じゃなくて、日本の生物研究全体の問題点でしょう。他のプロジェクトと違う点は、iPS細胞と名がつけば予算がつきそうだから、研究費申請で乱用され、亡者の墓場になりそうなぐらいか。
自分は特に就職探し中なので特に3.に注目。

そして、たとえips研究に関心のある若い人がいたとしても、大量雇用のあと使い捨てられているポスドクの現状を見るにつけ、参入する気にならない。

ips研究は重要ですが、市場投入されるのに10年20年、あるいはそれ以上かかる可能性があることは専門家なら予想がつきます。幹細胞治療というのはそれほど難しい*1。

そして政府の熱はすぐ冷める。実用化が遠いと分かった時、またアメリカに勝てないと分かった時、大量の研究員がまたあっさりと切られるのが目に見えています。

山中先生ご自身はかつて、部下に「失敗しても必ず面倒は見る」と断言されたそうですが、現在の国とアカデミアがポスドク問題においてアナウンスしているのは、真逆のことです。

今後、大規模プロジェクトに参加する若い研究者はどんどん減っていくでしょう。

ぶっちゃけ今朝もJREC-INでiPS細胞研究がらみのポスト募集を見たけれども「任期:1年(更新あり)」という文言で萎えました。伊達にタンパク3000プロジェクトを横で見てきたわけじゃないんでね、ああいう国家規模プロジェクトの歯車になったポスドクたちの末路はよく知っています。山中先生の「失敗しても必ず面倒は見る」という心積もりは大変ご立派ですが、30代後半〜40代の専門バカをどうするんでしょうか。「ポスドク村」でも作ってオートクレーブでも与えておくの?バカなの、死ぬの?
ところで「ぼうじゃ」と打って変換できねぇ!と焦りまくり、goo国語辞典で正解を見つけて軽く落ち込んでたのはココだけの話で。そりゃ就職も見つからないわなぁ・・・(遠い目