温めると縮む物質

この物質は、ランタン、鉄、銅を1対3対4で含む酸化物。特殊な装置で1100度、10万気圧という高温高圧下で合成した。X線などで調べると高温超伝導物質などで注目された「ペロブスカイト」という構造だった。

 零下170度から温度を上げると次第に膨張するが、0.5%ほどふくらんだ120度で、一気に体積が1%収縮し、さらに温度を上げるとまた膨張することを見つけた。

 最近、温度を上げると少し縮む物質は見つかってきているが、このように極端な性質を持つものは初めてという。

 この物質の性質を詳しく調べると、120度で鉄のイオンにある電子が銅のイオンへ急激に移動し、それぞれのイオンの大きさが変化するのが収縮の原因という。同時に、電気的性質については絶縁体から伝導体に変化しており、磁気的性質についても変化があったという。

無機はほとんど知識がないんだが、LaとFeとCuってことは金属なのか?熱すると縮むといえば、ゴムなどの有機物を連想するけれど、あれは縮むってより変質だからなぁ。この物質は、120℃では縮むけどその上下温度では膨張するらしいから、明らかに有機物のパターンとは違います。120℃という特有の点でのみ、Fe2+からCu+に電子イオンが移動*1する・・・ロマンだな。120℃って温度も便利だろう。

*1:はてな記法に化学式ってあったっけ?