老化・長寿遺伝子が見つかった?

Common variants near TERC are associated with mean telomere length. Codd V. et al. Nature Genetics. Epub online: 7 February 2010.
テロメアは染色体の端に位置し、細胞分裂のたびに少しずつ短くなります。テロメアが限界まで短くなると細胞死を引き起こし、特に白血球のテロメア長は加齢関連疾患リスクと関連していることから、老化の目安として考えられています。
このグループは、イギリス人2,917人におけるテロメア長を調査し、年齢と性別で調整した後に、テロメア長と関連するSNPを全ゲノムから探し出しました。その後、思わしい候補SNPについて、9,492人で追試したところ、TERC遺伝子近傍のSNP(rs12696304)が見つかったとのこと。
TERCはテロメア長の調節に関わる遺伝子であり、このSNPを1つ持つごとにテロメアが〜75塩基短いことまで判明したそうです。実際のテロメア長と年齢の関係は、1年歳をとるごとに〜21塩基短くなっているので、このSNP1つ持ってるだけで平均〜3.6歳分の加齢になる計算だそうです。
特定のSNPからここまで計算できるのはスゴいっつーか、リアルっつーか、驚きました。将来的には、このSNPを補佐するような化合物ができたら、長寿薬として活用できるかもしれません。逆に阻害薬ができたら、玉手箱が実現化するかも?