薫り高いビールの素、できました

引用元: ビールの華やかな香りをつくるホップの遺伝子の発見−京都大学

京都大学の矢崎一史 生存圏研究所教授らは、キリンホールディングス株式会社フロンティア技術研究所との共同研究で、ビールの重要な香りを決めるホップの遺伝子を発見することに成功した。日本農芸化学会2010年度大会のトピックス賞を受賞した。(中略)
矢崎一史教授らはキリンと共同でリナロールをたくさんつくる「国産ホップ」の毬花を岩手県遠野市で採取し、さまざまな生育ステージで発現している遺伝子の網羅的カタログ化を行ない(遺伝子ライブラリー作成)、遺伝子配列の解析を行った。これらの遺伝子の1つに今まで知られていない、テルペンをつくる可能性のある遺伝子が見つかった。これを、キリンで開発した、テルペン類の原料物質を細胞内で大量に供給できる特殊な大腸菌に発現させたところ、その大腸菌はリナロールを、また同時にセスキテルペン類(炭素数15個)のネロリドールをつくることが証明された。

ひとつの遺伝子がリナロールとネロリドールという2つの異なった物質をつくることに関しては、ゲノムから遺伝子が読まれる長さによって、できる遺伝子産物(酵素)の構造が異なり、酵素が働く細胞内の別々の場所に運び分けられることによってリナロールとネロリドールをつくり分けている可能性が示された。

ビールの中にあるホップ由来の香りは他にもさまざまなものが知られており、ビールによって、使用するホップの品種を換える、配合を変える、ホップの利用方法を代える、麦汁への投入方法を変えるなど様々なことを行っている。

今回、リナロールをつくる遺伝子を明らかにできたことで、新しい品種育成や選抜、利用法の見直し、新商品開発(例えば、華やかな香りのビール)などに利用可能だという。

へぇー、ホップの遺伝子ライブラリーなんて作ってたんですか。こりゃビール会社垂涎の的ですね。そのうち「発泡酒(テルペン添付)」って商品が並ぶことになるでしょう。
しかし京大ビールでは黄桜酒造と提携してるのに・・・京大の幅広さに驚きました。