手を洗うと冷静になれる?

Washing Away Postdecisional Dissonance. Lee SWS and Schwarz N. Science. 2010 May. 328(5978):709.
Postdecisional Dissonanceとは、同程度の選択肢から片方を選んだ後に発生する、心理的不協和のことのようです。ものすごく単純化させた例だと

  1. 被験者に、きのこの山たけのこの里に点数をつけさせる(甲乙はつかなくてもいい)
  2. 点数をつけ終えた被験者に、どちらか1つを選んで持ち帰ってもらう
  3. 後日もう一度被験者に点数をつけてもらうと、自分が選んだ方の点が極端に高く、選ばなかった方の点が極端に低くなっている
    (きのこの里の方がチョコが多いもんね vs. たけのこの里の方がビスケット生地が美味しいじゃないか)

というところでしょうか。ポイントは、自分が下した決断を正当化するために、選ばなかった方の長所を無意識にもみ消してしまうということのようです。(だから「不協和」と名づけられてる?)
この論文では被験者に「10枚のCD」や「2種類のジャム」をランク付けさせた後に、どれか1つをプレゼントし、後日のランク付けに影響があるか否かを調査してます。石鹸見ただけ群と、手洗い群を比較すると、石鹸見ただけ群ではPostdecisional Dissonanceがあったのに対し、手洗い群ではPostdecisional Dissonanceが認められなかったとか。これって、例えばシャワーや散歩でも同様の効果が認められると思うんだが・・・追試結果を待つか。