遠くを思いて 近くを忘れり


When your mind drifts, it's hard to remember what was going on before you stopped paying attention. Now a new study has found that the effect is stronger when your mind drifts farther - to memories of an overseas vacation instead of a domestic trip, for example, or a memory in the more distant past.
オリジナル論文→Remembering to forget: the amnesic effect of daydreaming. Delaney PF, Sahakyan L, Kelley CM, and Zimmerman CA. Psychological Science 2010 Jul;21(7):1036-42. Epub 2010 Jun 14.
心理学の論文でアブストしか読めてませんが、面白かったのでメモしておきます。空想や白昼夢を見ると目前のことを忘れがちになりますが、その空想の内容によって現実を覚える効率が変わるそうです。
実験によると、規定の単語を覚えた後に、自宅のことを連想したグループは、長期間訪ねてない実家のことを連想したグループより、思い出せる単語の数が多かったそうです。また、同様の実験で、国内旅行を連想したグループは海外旅行を連想したグループより記憶が鮮明だったとか。よって、空想と一言でいっても、目前の事象より遠かったり時系列が離れているほど、現実のことを忘れがちになることが示唆されました。ようするに目の前の嫌なことから気を逸らしたいなら、できるだけ昔のことや遠くのことを思い出してればいいってことのようです。ヒトの記憶って案外いい加減ですね。