お蔵入り研究を論文に


 先生は“未完成研究”をお持ちではありませんか,共同研究者を見つけて論文化しませんか―。着眼点や発想は良いのだが,マンパワー不足や論文作成スキルの問題などで陽の目を見ない“未完成研究”を発掘し,論文化につなげようと,(財)博慈会老人病研究所所長・福生吉裕氏の呼びかけで未完成研究研究会が発足した。12月11日には第1回研究会(共催:味の素製薬)を開いて活動を本格的に開始,記念すべき初回の“価値ある未完成研究”に大島医院(宮城県気仙沼市)院長・山本馨氏の「アニサキスの抗アレルギー剤での治療法の研究」を認定した。同研究会では山本氏の共同研究者を募るとともに,新たな“未完成研究”を募集している。
これは面白い取り組みですね。いくら研究テーマが優れていても、論文として発表しないと世の中へ出て行きづらいですから。第1回の“価値ある未完成研究”に認定された研究テーマは、どうやら日本消化器病学会東北支部例会で発表されたようですが、街のイチ開業医では研究に集中することも研究資金を集めることも大変です。この制度できちんとしたスタッフがお手伝いして論文化すれば、更に多くの人の目に止まるようになるでしょう。