大震災が日本の科学研究に落とす影

Helping hand for scientist-refugees: Nature
1万人を超す人たちが犠牲になった東北関東大震災に続き、原発の状況も抜き差しならず、東北関東地方の人たちは日々の生活もままならないまま1週間が経過しました。そんな中で人命以外のことは話題に上がりづらい時期に、Natureでは日本における研究活動が大震災で大きな打撃を受けていることを取り上げてます。揺れが大きかった場所では実験設備が壊れ、そうじゃなくても停電でサンプル等を破棄せずを得なかったり、試薬が破損したり供給がストップしたりしています。今のところ、実験動物の拡散・逃亡などはないそうですが、マウスや微生物なんかは飼育環境が安定しないと死んじゃうでしょうね・・・
停電の影響で学生たちは自宅待機のまま、外国人研究者は取り合えず東京以外の場所や国外脱出を余儀なくされています。東北・関東の太平洋側の研究機関といえば、甚大な被害を受けたであろう東北大をはじめ、つくば研究都市、理研の和光・横浜キャンパス、東大など、メジャーどころが目白押し。これらの機関が数週間〜数ヶ月、それどころか年単位で研究活動を抑圧されるとしたら・・・ 技術立国ニッポンはどうなっちゃうんでしょう。また、研究分野で活躍する若手たちは、ただでさえ不況で就職難なのに、さらに苦境に追い込まれることになるかもしれません。もっとも、これは他の業界でも同じかもしれませんが、被災地以外の研究機関は早めに受け入れ態勢を表明した方がいいと思います。