1人しか理解できない


実際、いままでのところ、多くの科学者たちが無益にもこの予想を証明しようと努力してきた。そのなかには、あのアンドリュー・ワイルズもいる。同僚たちと同様に、望月教授もまた楕円曲線の理論、すなわち「y2=x3+ax+b」のような関係代数によって生み出される曲線を用いた理論を使って問題を攻略しようとした。

しかしながら、その後、この日本人数学者は先行研究から離れ、今日では世界でごくわずかの科学者だけが理解できる数学的装置を発展させた。望月教授の技術は、新しい「オブジェクト」、つまり、例えば集合、順列、行列に似た、抽象的な数学的概念を用いている。「ここに至ると、完全に理解できるのはおそらく世界で彼ひとりだ」とゴールドフェルドは続けている。

数学の証明、特にABC予想の内容について何か書こうという気も起きないくらい、数学は得意じゃないです。しかし「完全に理解できるのは枯れ1人」という理論は…科学の範疇に収まりきるんでしょうか。もはや宗教的真理に近いのでは?「科学」の定義をモンモンと考えてしまう。