山内語録

――世界企業への道はなんだったんですか。
運です。運が良かったんです。それを「この結果は俺の経営がうまかったんだ」とか「俺に力があったんだ」なんて思うと、もう駄目ですね。
――墓穴を掘りますか。
そうです。だから運を認めないといけない。運を実力だと錯覚するということは、これほど愚かなことはないんです。経営者としてね。ところが、人間ですからついつい運の存在を無視して「俺の力だ。俺のやり方が良かったんだ」と言いたいんですわ、人というものはね。それは駄目。
――なるほど、運ですか。
運です。
(『新・電子立国第4巻??ビデオゲーム巨富の攻防』NHK出版、1997年)

任天堂を世界随一のエンターテインメント企業へ押し上げた山内相談役の語録から。あれだけ大成功を収めたのに、それを自分の実力と慢心せず運を受け入れる。その人間の大きさがかかりつけの病院に70億円を寄付できる秘訣なのかな、と思いました。そこいらのセレブ気取りな小金持には逆立ちしたって真似できない。