報道で職業を付け加えることについて

こないだ、なぜ日本のメディアは年齢を必ず載せるのかと聞かれ、返答に窮した。以前、新聞社にいた頃は先輩から、文字では人となりが分からないから、最低でも住所、性別、年齢の属性は明らかにするのだと言われた。確かにその通りで、人間を紹介する場合、年齢は非常に重要なファクターだ。公表はしなくても、記者であれば最低限、生年月日は取材時に確認するのが普通だ。

メディア報道で年齢を載せることに関するエントリがありましたが、一度アメリカで暮らした身としては「なぜ日本のメディアは容疑者・被害者の職業を必ず載せるのか」も同じぐらい疑問に感じます。例えば「銀行強盗の容疑で逮捕された○○(会社役員)」というのと「銀行強盗の容疑で逮捕された○○(無職)」というのでは、受ける印象は全然違います。しかも同じ無職でも「無職、65歳」というのと、「無職、30歳」というのでは、読む人によっては180度違う印象を持つ可能性があります。が、犯された犯罪の重さに違いはないはずです。銀行強盗の罪の重さを属性によって呵責するのは裁判官の仕事であり、メディアは中立公正でないといけないのでは?属性からいらん事まで推察して云々するのはスポーツ紙やワイドショーだけで十分。
上記エントリで書かれている「住所、性別、年齢の属性は明らかにする」というルールが日本のメディアにあるとしたら、そこから読者の中に植えつけられる属性差別というのは相当根深いのではないかと危惧します。