痛み伝達システムを解明

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森山芳則教授(生化学)と大学院生の澤田啓介さん(29)らのグループは、てんかん発作や高血圧などの血管収縮、強い痛みなどにかかわる神経伝達物質ヌクレオチドを取り込むたんぱく質を見つけた。
 このたんぱく質を人工的につくり、ヌクレオチドの一種であるアデノシン三リン酸(ATP)が取り込まれることを確認した。このたんぱく質を働かなくしたネズミの細胞では、ATPをため込んだり放出したりできなくなり、激しい痛みの情報が伝わらなくなっている可能性があるという。

オリジナル論文はPNASサイトで見つけられなかったのでパス。強い痛みに関連する伝達物質がATPとは驚きです。「小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)」と名づけられたタンパク質が、神経の末端にあるシナプス小胞にATPを蓄えたり放出したりしてるそうです。これは根本的な痛み止めの創薬ターゲットになりえますし、抗てんかん剤にも利用できそうです。すばらしい。