CM時代の終焉

最近、『詳しいことはwebでどうぞ』というCMがよくあるでしょう。あれはマス広告の正体を自分でうまく暴露していますね(笑)。『詳しいことはあちらでどうぞ、私たちは企業としてのごあいさつをしているだけです』というふうになっているわけです
 ただ、この感情的というか、冗長的なつながりというのも、人間社会では大事なことでね。同時代を生きている企業として、市民になんだかいやな会社だなと思わせるか、いいなと思わせるか。人間はよい悪いということだけで物事を判断していなくて、好き嫌いということで判断している。性能のよい悪いはウェブでしっかり探せば分かるかもしれないけれど、好き嫌いはウェブを見ていても分からないわけです

「テレビCMを中心に急拡大したマスメディア広告を大衆文化として取り上げてきた」という広告批評が休刊するそうです。広告批評って恥ずかしながら手に取ったことすらないのですが、天野さんといえば「CM天気図」の中の人として小さいときから親しんできました。上に引用した部分なんて「CM天気図」そのものじゃないですか。懐かしいなぁ。
「マスメディア広告万能の時代は終わった」と言い切り、次の時代にウェブ・携帯広告
の「広告批評」が出てきてくれれば、と望む天野さんの思い切りの良さ。格好良いです。天野さんがいなければCMの面白さも、いわんやCMの作り手側にも気づかなかったかもしれません。

天野祐吉のCM天気図〈晴のち雨編〉
天野 祐吉
朝日新聞社
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