「相撲愛に国境なし」

 7月の名古屋場所中には、同地の政情不安が懸念され、いったん中止が検討された。この時のモンゴル勢の落胆ぶりは、痛々しいほどだった。幕内時天空は「友人や親せきを日本に呼ぶ機会はほとんどない。相撲を知ってもらいたいのに」。同旭天鵬は「今年できなければ、もう絶対にできない」と嘆いた。どちらも泣きだしそうな顔だった。(中略)朝青龍は、慣れているはずの横綱土俵入りを「緊張するだろうなあ」と少し心配していた。

 初日前日の26日、エンフバヤル大統領が主催する晩さん会がウランバートル郊外の屋外会場で開かれた。力士らはパトカー先導で移動。行く先々の信号をすべて青に変える国賓並みの待遇だ。(中略)
 会場の民族サーカス場は、朝青龍の兄が経営する。老朽化していた元国立の施設を買い取って改装、近代的な施設に変えた。この記者は「朝青龍は母国の発展に貢献している」と評価する。日本で批判されている頻繁な里帰りも、当地の人々の見方は異なるようだ。
 政情不安で一時は中止も検討された「凱旋(がいせん)巡業」。実現に奔走した朝青龍は「来てくれたお客さんが喜んでくれればそれでいい。相撲愛に国境なし」。穏やかな顔で話し、初日の土俵で念願の横綱土俵入りに臨んだ

開催の危ぶまれたモンゴル場所、初日は滞りなく終わったようです。この巡業のために尽力したドルジは流石だと再認識しました。日本のマスコミは折にふれスキャンダルを報道しようとしてるようですが、こういう良いニュースもちゃんと取り上げてくれるといいんだが。
他方で、白鵬は天候不良で到着が遅れたものの初日トーナメントで優勝できたようでホッとしたんではないでしょうか。ドルジほどは働いてなさそう。奥さんにかまけて裏方の仕事はできてなさそうな悪寒。