各国の医学研究

ここで日本の大学医学部が持つ、制度的な問題にも触れておきましょう。日本では、高校生が医学部を志望すると現役で入学して18〜19歳、6年の年限を終えて24〜25歳、これに研修医の期間が加わって、27歳くらいになってから「大学院に入学」する、という、制度的な「特徴」があります。
 つまり日本では、自然科学の分野で、最も顕著な業績を上げやすいとされる20代前半、ヒトを対象とする生命科学の基礎研究は、本質的に行いにくいという状況があるのです。日本の大学医学部・医学系大学院には、山崎豊子描く『白い巨塔』のように、よく知られた「医局制度」など日本特有の「体質」があり、果たして研究開発に適しているのか、さまざまな疑問の目も向けられています。

 実際、いま「ヒトの命を救う医学の基礎研究をしたいのだけれど」と日本の優秀な高校生から相談されたなら、私の最も正直なアドヴァイスは「留学を考えたら?」というものになるでしょう。

ダウト。20代前半で「最も顕著な業績を上げやすい」自然科学研究って、どこの国の話ですか?20代前半なんて修士課程を終えるぐらいのピヨピヨだと思うんですが・・・ちなみにアメリカの医大は生物学部を出てからMCATを受験して、その後で医大で4年間みっちり勉強しますよ。日本の卒後研修後と同じ年数なんじゃないの?
でもまぁ基礎研究したいんだったら「留学を考えたら?」ってアドバイスは極めて妥当。日本で縮こまるよりかは最初から大海でもまれた方がいい。
蛇足かもしれんが、グリーンスパン氏がジュリアード出とは知らなかった。バーナンキ氏の妹はバークリー音楽大学出なんですね。さすがユダヤ人は子どもの教育に熱心だ。

ちなみにグリーンスパン氏がジュリアード音楽院出身のクラリネット奏者で、バーナンキ教授がサキソフォン奏者であることは、コンドリーサ・ライス氏がピアニストである事実ほどには知られていないようです。楽隊出身の経済人は意外に少なくありません。