ニコチン抜きタバコ

研究チームは、ニコチンが蓄積される細胞内の液胞の膜に存在する「Nt−JAT1」という遺伝子に注目。この遺伝子を酵母に組み込むなどの実験を行ったところ、酵母がニコチンを運び、ニコチンが植物細胞内の液胞に蓄えられることが判明。この遺伝子がニコチンの輸送・蓄積にかかわることがわかった。

 ニコチンはタバコの葉に2〜8%含まれ、根で作られて葉に蓄えられる。同様の働きをする遺伝子はほかには見つかっていない。

掲載雑誌はProceedings of the National Academy of Sciencesなんですが、現時点のEarly Editionが1月16日付けなんで確認はできませんでした。っつーかPNASはウェブが弱すぎる。
ニコチンは根で生成され葉に蓄えられるそうですが、このNt-JAT1遺伝子がないタバコは、根で作られたニコチンはどこに行くんでしょうか。そのまま根っこに留まるのか?
もう1つ重大な情報。asahi.comには、Nt-JAT1遺伝子が「医薬品として利用されるアルカロイド類の物質」を葉に取り込む働きを持つ、と書いてあります。よってNt-JAT1遺伝子を制御すれば医薬品として利用できる植物の効率を高められる可能性があるとか。こっちのほうがニコチンより重要じゃないだろうか。今回は朝日の記事の方に軍配を上げたいが、この記事を「関西ニュース一般」に放り込むセンスが理解できないので引き分けってことで。

この遺伝子が作るたんぱく質は、タバコの葉の液胞に多く含まれていた。このたんぱく質には、ニコチンのほか、植物を原料とする抗がん剤モルヒネなど、医薬品としても利用されるアルカロイド類の物質を液胞に取り込む働きもあった。

 この遺伝子の働きを制御することができれば、「価格の高い抗がん剤をたくさん含む植物や、ニコチンを含まないタバコの葉の開発につながる」と矢崎一史京都大教授(植物分子生物学)は話している。