冷静な人と、そうじゃない人

 〈ハドソン川に向かう〉。そう交信したのが最後だった。着水する地点を決める際は「船が多い水域にすれば救助が早くなる」と考え、機長は意図的にフェリーターミナル近くを選んだ。

 ハドソン川への着水は、エンジン停止からわずか3分半後。避難の際、機体最後尾の非常ドアは浸水を防ぐため使わないことにしたが、動転した乗客の一人が指示に反して開けようとし、水が入ってきた一幕もあったという。

ハドソン川の奇跡」と言われている飛行機不時着ですが、今まで「そんな大騒ぎするほどかなぁ」と思っていました。が、しかし。この記事を読んで考えを180度変えました。どんなに機長が冷静に判断を下し、素晴らしい着水を決めたとしても、「動転した乗客1人が指示に反して」非常ドアを開けちゃったら全てが水泡に帰すんですよね。ヒーローの活躍は1人のパニックで帳消しになり得る。そう認識できたら、今回の事件は間違いなく「ハドソン川の奇跡」だと思えるようになりました。っつーか事故時のパニックほど怖いものはないな。