関西インフルエンザ狂想曲

日本中が「物忌み」と「穢れ」に振り回された1週間でした。
神戸〜大阪の高校で新型インフルエンザの集団感染が明らかになって10日。先週は兵庫県大阪府の公立学校や保育・養護施設を一斉に休みにすることで流行を防ごうとしました。大人も不急不要の外出を避け、阪神地域への出張を控える、まさに「物忌み」状態。それでも徐々に他の地域へ感染は広がっていますが、初期の集団感染に比べたらマシだと思います。
他方で役人とマスコミの合同作業で阪神地域が「穢れ」になってしまいました。TVに映されるマスクだらけの街並みと「大阪・神戸に行った人間が他府県で新型インフルエンザを発症した」という報道で、この地域はすっかりエンガチョ扱いです。20日ぐらいから麻生総理が「冷静な対応をお願いします」とCMで呼びかけても後の祭りです。この穢れは、国内の感染者が完全にゼロになるか(現状で可能性は低い)、他の地域で更に大規模な集団感染が発覚するか、ぜんぜん違うセンセーショナルな事件が起きないかぎり祓われることはないでしょう。騒ぎ出すのは簡単だけれど広げた風呂敷をしまうのは極めてむずかしいです。
この「物忌み」と「穢れ」、どうするんでしょうね。平安時代なら陰陽師が物忌み明けを設定して穢れを祓うんでしょうけど・・・憑き物落としでも呼ぶか?