ハゲ遺伝子の1つを同定

抜け毛や薄毛は様々な原因で起こる。男性ホルモンや加齢の影響が知られているが、今回は性別に関係ない。

 国立遺伝学研究所や慶応大のチームは、神経細胞に関係する「Sox21」という遺伝子の働きを、この遺伝子を人工的になくしたマウスで調べていた。すると、このマウスは生後15日ごろから脱毛し、全身の毛が抜けた後、再び発毛した。発毛するが、毛が非常に抜け落ちやすかった。

 電子顕微鏡で見ると、毛の外側の「キューティクル」部分で、ケラチンというたんぱく質が減っていることがわかった。キューティクルの表面はふつう、ウロコのような形で毛根にひっかかるようにつながっている。だが、このマウスでは表面が平らだった。

 Sox21やキューティクルは人の髪の毛にもあり、Sox21がうまく働かなくなると脱毛が起きるかもしれない。

オリジナル論文→The disruption of Sox21-mediated hair shaft cuticle differentiation causes cyclic alopecia in mice. Kiso Met al. PNAS Epub online May 26, 2009.
キタコレ。Sox21遺伝子をノックアウトしたマウスは、発毛はするもののキューティクルがつるつるすぎて抜け毛だらけだそうです。面白いのはSox21がHMG-boxタンパク質であること。HMG-boxタンパクって?Sox遺伝子って?と思う方は臨床研ニュース「『SOX』今日この頃」が分かりやすいですよ。しかしSox21がヒトにおけるハゲに関連してるとしても性差はないそうですから、ウチの家系には福音にはならないなぁ・・・
ところで同じ雑誌の目次で気になった論文が。
Differential recruitment of limb patterning genes during development and diversification of beetle horns. Moczek AP and Rose DJ PNAS June 2, 2009 vol. 106 no. 22 8992-8997.
RNAiを用いたカブトムシの角の研究ですよ。 アブストしか読んでないけど、オラ、何だかワクワクしてきたぞ!