成長ホルモンとサッカー


実はメッシ選手の活躍の背景にはバイオテクノロジーがありました。

 メッシ選手は下垂体性の成長ホルモン分泌不全症でした。彼が今あるのも遺伝子操作技術によるヒト成長ホルモンの開発がありました。月間900ドルの成長ホルモンの治療費をバルセロナが負担していました。彼の故国のアルゼンチンではこうした高額の医療費を負担できるクラブが存在せず、リーガエスパニョーラのスカウトの目に11歳で止まったのが幸いでした。実際には、この段階ではあまりに若かったために、バルセロナは採用を断念しますが、13歳の時にテストを行い、バルセロナの下部リーグにスカウトし、養成を開始しました。同時にヒト成長ホルモンによる治療も始まったのです。
http://www.oye-comova.com/LaMasia/06_MasiaStory/Masia_014.html
http://ameblo.jp/vet/entry-10051418968.html

 今朝の試合でも一段と大人に、そしてたくましくなったメッシ選手ですが、13歳のテストの時は身長143cm。体重35kgに過ぎなかったのです。5年後には身長170cm体重67kgまで成長、現在はもう少し体重が増えているのではないでしょうか?リーガエスパニョーラでは大男が多いのでメッシ選手は小さいという印象が残りますが、Jリーグではそんなに見劣りがしないまで、成長することに成功したのです。この背景には、バルセロナというクラブを挙げての「メッシを成長させろ戦略」がありました。成長ホルモンの投与と、適切な食事や運動プログラムによって、メッシ選手の大型化は完成したといってよいでしょう。

サッカーには全然興味がない自分ですが、メッシの名前は耳にしたことがあります。それほどの名選手が成長ホルモン異常とは・・・そしてホルモン投与で身長170cmまで回復してスペインリーグで堂々の新記録を樹立したというのは、バイオ医療の勝利だと思います。適切な治療がもっと多くの子どもに届きますように。