方針なしの予算配分

 2010年版の科学技術白書が15日、閣議決定された。(中略)

 技術革新の担い手となる理系の博士号取得者が社会で活躍することが、国際競争を勝ち抜くためにも欠かせないと指摘。2004年以降、理系の博士課程進学者が減少していることに警鐘を鳴らした。

お前はなにを言っているんだ。(AA略
鳩山政権が事業仕分けと称して、科学技術分野の予算をバッサバッサと切り捨てたのは、たった半年前ですよ? ポスドク予算も同様。博士一万人計画の産物が「ポスドク余り」であることが判明した今、賢い学生ほど博士課程には進学しないでしょう。「社会で活躍する場」を用意できなかった政府が、今さら何を言ってるのやら。
「はやぶさ2」予算にしてもそうなのですが、政治家や官僚は科学予算について根本的に勘違いをしているとしか思えません。「はやぶさ」が劇的な帰還をはたして話題になった、だから予算を増やすとしか受け取られませんよ?
本来の科学基礎研究とは「仮説→計画→実証」を淡々と繰り返すものです。うまく計画できた研究ほど、失敗な想定外は発生しません。もしも、の話ですが、「はやぶさ」がうまく計画運用され、何のトラブルもなかったら・・・ きっと、数日前の「はやぶさ」フィーバーほどの話題にはならず、予算の見直しも大々的に取り上げられなかったのでしょう。っつーか、日本人ミってこういうドラマが大好きだよな。田中耕一さんの「本当は捨てるはずだったサンプルからノーベル平和賞」とか。マスコミが好むのは、話題性がないと視聴率が上がらないから仕方ないんでしょうけれど、それに持ち上げられた民衆の声に政策決定者が踊らされたらダメだろ。事業仕分けJAXAの予算が削減されたのは、「はやぶさ」の研究が無意味だったからではなく、それより優先されるべき死活問題があるからだと理解してたんだが? 試しに、「はやぶさ」の予算を減らした政府はアホって抜かしてる輩に「じゃあアナタの健康保険料/年金分を『はやぶさ2』の予算に回しますか?」って聞いてみたらいい。どちらが今の日本に逼迫して必要なのか、すぐに判るぞw