期待のヤセ薬

覚せい剤のことじゃありませんよ。
オリジナル論文→Multicenter, Placebo-Controlled Trial of Lorcaserin for Weight Management. Smith SR, et al. NEJM. July 15, 2010. 363(3):245-256.
ヤセ薬の第3相試験の結果が論文で発表されています。肥満なアメリカ人(平均BMI=36.2)に、肥満症治療薬「ロルカセリン」とプラセボを投与して、2年間の体重変化を調べた治験です。食事・運動指導も同時期に受け続けるデザインになってるとはいえ、初年度に元の体重の5%以上減った人は、ロルカセリン群 47.5%に対し、プラセボ群 20.3%だったとのこと。効いてます。
唯一気になるのは、脱落例が多いことですね。ロルカセリン群の44.6%、プラセボ群の54.9%が初年度に脱落してます。 論文自体には書いてないけれど、Supplimentaryの主な脱落理由を見ると

となってます。これさ、どう考えてもロルカセリン群の方がヤバい理由で脱落してますよね。個々の理由を比較すると統計的に有意じゃないのかもしれないけれど、まとめて眺めると少し首をかしげてしまいます。
まぁ、ロルカセリンエーザイが販売権を取得してアメリカ国内で取り扱うそうですから、あまりネガティブなことは書かないでおきましょう。