就職と理系・文系


 理系出身は文系出身より高収入――。京都大や同志社大などのグループが大卒の人たち約1600人を調査したところ、こんな傾向がわかった。「理系は出世も遅く給与も低い」との説もあるが、年代別でも大学の難易度別でも、いずれも理系出身の収入が上回ったという。

 グループは調査会社のサイトに登録している人を対象に、インターネットで回答を集めた。20〜60代の1632人(平均年齢43歳)を分析したところ、文系出身988人の平均年収は583万円だったのに対し、理系出身644人は681万円だった。 (中略)

 京都大の西村和雄特任教授(経済学)は「技術系の就職が難しい文系より、理系のほうが選択できる職種の幅が広く、転職しても収入が下がりにくいからではないか」とみる。同志社大の浦坂純子准教授(経済学)は「文系卒のほうが収入が高いという説が理科離れの一因だとしたら、そんなことはないと言いたい」としている。

ウェブ上のアンケート会社に登録してる人たちで、平均年齢43歳ってことは、それだけで中流以上の生活を確立してる人たちじゃないでしょうか。バブル崩壊後の就職難で喘いできた世代とは若干異なる世代を対象に調査した結果ではないでしょうか。さらに、引用記事の最後にある「理系が収入が低いってことはない」ってコメントですが、新卒戦線がどんどん前倒しになっている今は、3年生から縛りがキツくなる理系より、比較的自由に動ける文系の方が有利かもしれません。収入の額を比較する前に最近10年間に学部を卒業した人たちの就職・離職・収入を調べたほうがよかったんじゃない?