提言を出すのはいいけど


政府の行政刷新会議が18日に行った「事業仕分け」で大学の教育・研究予算が厳しい判定となったことを受け、東京大や京都大など主要11大学の学長が25日、予算の拡充を求める緊急提言を共同で発表した。

 提言は、事業仕分けについて「限られた視点からの短時間の議論による判定」と批判。「教育・研究分野は中長期的な視点から十分な議論を尽くし戦略的な判断をすべきだ。大学予算は年々削減され、精神主義だけではもはや限界。知の拠点である大学に確実な投資を強く望む」と要望した。

大学の予算をどんどん減らされて苦しいのは分かるんですが・・・その提言は、政府や国民の意識を変えるほどの力があるんでしょうか。児童数はどんどん減っていく一方なのに大学教育の予算を補充する説得力のある説明は入ってる?大学を出ても就職先が見つからず生活が貧窮し年末年始に炊き出しを受ける若者、年金・医療財源不足で困りかけている老人がウジャウジャいる昨今に「彼らを差し置いて我々大学に教育資金を寄越せ!」と言えるだけの論旨が、あるんでしょうか・・・?
どうも、大学側の意識が、時代の変化についていけてないようにしか思えません。大学教育・研究が不要というわけではないけれど、それより優先すべき事業がある、という単純明快な世の中の流れに取り残されているような。はっきり言っちゃえば時代遅れ。日本の大学教育・研究には頑張ってほしいと個人的には思ってはいますが、このやり方を見ると溜息しか出ません。