今年もBMJクリスマス号
年の瀬が近づくと、毎年恒例のBMJクリスマス特集号が楽しみです。今年のジョーク論文は「アルコールに足を浸すと酔っ払うか」と「アルコールは消化の助けになるか」でした。
Testing the validity of the Danish urban myth that alcohol can be absorbed through feet: open labelled self experimental study. Hansen CS, Færch LH, and Kristensen PL. BMJ. BMJ 2010; 341:c6812.
Effect on gastric function and symptoms of drinking wine, black tea, or schnapps with a Swiss cheese fondue: randomised controlled crossover trial. Heinrich H, et al. BMJ. 2010; 341:c6731.
足を酒に浸すと酔っ払う、というのはデンマークの言い伝えのようです。論文で実験に参加したのは著者の3人だけ・・・アルコール度35%のウォッカ2リットルに足をつけ、30分ごとに看護師に採決・アルコール濃度テストをさせてるという、実に周りに迷惑な研究です<褒め言葉。結論は、血中アルコール濃度はまったく上昇せず「デンマークの言い伝えは、ただの言い伝えであることが判明した」だそうです。ただし、もっとアルコール度の高い酒だったり、果汁入りカクテルを使用したら、異なる結果が出るかもしれないとのこと。
アルコールと消化の研究のほうは、スイス名物・チーズフォンデュにあわせるべき飲み物を決めよう、という趣旨のようです。紅茶、白ワイン、チェリー・ブランデー群に振り分けられた30人が、チーズフォンデュと決められた飲み物を摂取して、消化スピードを調べています。結果は紅茶が圧倒的に早く、アルコール度が高くなるほど消化は遅くなってました。ま、チーズフォンデュみたいに脂分の高い食事だったら、温かい紅茶を一緒に飲んだほうが消化は早そうですよね。
それにしても、スイスの伝統的なチーズフォンデュの楽しみ方で「チーズの中にパンを落としたら凍った湖に放り出される」というのは恐ろしすぎます。