現役力士を切り捨てて保身に走る相撲協会


 八百長メール問題の処分を決める運命の1日は、午前7時の特別調査委員会で幕を開けた。調査委は23人が関与したと認定し、決議した処分案を臨時理事会に提出。関与を認めた竹縄親方(元幕内・春日錦)、十両千代白鵬、幕下の恵那司は調査に協力したとして2年間の出場停止、残る元小結の白馬、幕内の猛虎浪ら20人は引退勧告とすることを決定した。(中略)

 竹縄親方ら3人はすべて処分に従ったが、収まらなかったのが調査委の複数回の聴取で関与を認めなかった20人だ。日本人最重量277キロの山本山は、理事会で渡された処分事由を公開。「平成22年1月場所10日目の春日錦との取組、平成22年5月場所4日目の春日錦との取組等において、故意による無気力相撲を行った」とたった2行で通告された引退勧告に「一生懸命やったことを認められなかったのはむなしい」と肩をふるわせた。

 調査委がクロ認定した主な理由は46通のメールに加え、竹縄親方らの供述の信用性。八百長と認定した取組は41番にも上ったが、ほとんどが竹縄親方との対戦で、伊藤滋座長は「否認している他の力士と信用性で供述内容に差がある」と説明。だが谷川親方は「春日錦の話しか信用していないし、自分の話は聞き入れてもらえなかった」と怒りを繰り返した。

 理事会では、5日までに引退届を提出しなければ「さらに重い処分を出す」と通告した。期限までに届出がなければ解雇が確実。しかし同時に、不当解雇だとして訴えられる可能性が高い。

4月1日に八百長特別調査委員会が出した結論に関する背景が、徐々に見えてきました。やはり、クロと認定された力士たちの確固たる証拠はなく、元・春日錦の供述のみに基づいているようです。それなら各力士が携帯電話・預金通帳を提出して八百長関与を否定しても、意味がないじゃん・・・ それって調査って言えないでしょう。
引退届を出した力士たちは「(引退届を)出さないと師匠に新たな処分が下るというから」というコメントを出し、処分には納得してない心情を吐露しています。白馬は「(八百長は)していないが、僕がやめて相撲が良くなるなら犠牲になっても構わない」という涙ぐましいコメントをしています。モンゴル出身で日本語に苦労しつつも入幕したのに・・・相撲ファンとして本当に悲しいです。
結局、調査委員会の引退勧告に抵抗できるのは、既に現役引退して親方株を取得している元・海鵬の谷川親方のみ。「八百長認めることになる」処分拒否の姿勢を見せましたが、さてどうなるんでしょう。文科相「八百長根絶姿勢示した」 と言ってますから、相撲協会としては夏場所開催の目処が立ってホッと一息なんでしょう。しかし、頑張ってる現役力士を切り捨てて本場所開催したこと、ファンは忘れませんよ。