嘘を嘘と見抜けない認知症


高齢者対象試験の結果、うそや嫌味を見抜く能力の低下と前頭側頭型認知症が関連しました。
日本語ではソースが見つからなかったので英語でググったところ、第63回アメリカ神経学学会のプレゼン"Divergent Neuroanatomic Correlates of Sarcasm and Lie Comprehension in Neurodegenerative Disease."が元でした。カルフォルニア大学サンフランシスコ校の調査チームが175人にビデオ調査した結果です。
ビデオの中では2人が喋っていて、片方は時おり嘘や皮肉を言っている内容になっていて、それを見た被験者が嘘・皮肉を見破れるのかどうかを調べたところ、前頭側頭型認知症の人たちは明らかに嘘を判別する能力が低下していたとのこと。アルツハイマーなど別タイプの認知症の人たちは、 嘘を判別する能力は健常人と変わらなかったそうですから、前頭側頭に特有の機能なんでしょう。今までニュースで振り込め詐欺や未公開株詐欺に騙された老人を見て不思議だったのですが、彼らは前頭側頭型認知症の初期症状だったのかもしれません。身の回りに年配者がいて「最近ウソや嫌味を鵜呑みにする」と気づいたら、早めの診察をお勧めします。