「休めないんでしょ?」


 逆に言えば、彼らは、妻が
「仕事休んだら?」
 と言った場合に、自分が軽んじられたように感じてしまうタイプのビジネスマンを想定してCMを制作しているわけで、結局のところ、あのCMの中の若妻は、われわれの職業社会に蔓延する倒錯した美学に配慮して出勤をすすめてくれているわけなのである。
 なんと手のかかる人たちなんだ、オレたちは。
 まるで中学生じゃないか。

 このCMのプロットにおいて、風邪薬は「仕事を休めない」ビジネスマンが「仕事に向かうために」飲むヒーリング・ポーションぐらいなところに位置づけられている。しかも、彼らを出勤に駆り立てているのは、納期やスケジュールへの懸念や配慮ではなくて、むしろ「風邪ぐらいで休んでいたら忠誠心を疑われるぞ」といった感じの、脅迫であったりする。そうだとも、妻よ。

なるほど、日本のサラリーマンが風邪をおして出勤するのは、風邪薬のCMの影響も大きそうですね(違)。優秀な人ほど自己管理と状況分析ができ、風邪のひき始めでサラッと休んで悪化させない。できない人は無理をおしてズルズル悪化させ、間違った陶酔感を満喫する… そういえば、昨年の大震災の直後の出勤禁止時に、空気を読まずに無理して出勤してマネージャに激怒させたAさんは元気だろうか…? 
こうなったら、企業側も「◯℃以上の発熱、および感染病の疑いのある奴は出勤を禁ずる」と明文化しないと、この悪しき風習は直らないかと。中学生どころか、保育園並みw