バス渋滞解消 マルコフモデル


長時間待たされてやっと来た大混雑のバスに乗り込んだ直後に、後続のガラガラのバスが目に入る――。乗客を悩ませるそんな実態を数学で解消しようと、米ジョージア工科大学などの研究者が新システムを開発した。
 
バスが数珠つなぎになってしまうこの現象は、道路状況や天候の影響、1つのバス停で大勢の乗客が乗ることなどにより運行が遅れて発生する。運転手が遅れを取り戻そうと、待っている乗客がいるのにバス停を通過してしまうこともある。
 
ジョージア工科大学のジョン・バルトルディ教授とシカゴ大学のドナルド・アイゼンシュタイン教授は長期的な行動の予測に使われるマルコフ連鎖という数学理論を応用し、こうしたバスの数珠つなぎを防ぐ公式を編み出した。
(中略)
 
ルート内を巡回するバスはすべて全地球測位システム(GPS)とコンピューター端末で接続され、そこから運転手に信号を送って発進すべき時を知らせる。ダイヤは無視して構わない。この理論は、約12〜15分の間隔でバスが運行される循環型のルートなら、どんなものにも応用できるという。

ジョージア工科大学はキャンパス内のシャトルバスでこの理論を試験導入した。キャンパス内のどのバス停も、約6分以内にバスが来るという。この秋からは完全実施を予定している。
バルトルディ氏は「これまではダイヤを守らせることでバスをコントロールしようとしてきた。新システムでは言ってみればバスが自らを調整する。誰かが運転手に指示を出す必要はなく、ダイヤの遅れを心配する必要も、遅れを取り戻そうとする必要もない」と話している。

イカー社会のアメリカでも「遅れてきたバスにギューギューでも乗り込もうとしてたら、後ろからガラガラのバスに追い抜かれた」問題があるのか?と思ったら、大学構内や空港のシャトルバスだったらありそうですね。循環バスなら、ダイヤを決めて無理に遵守しようとせずに、○分おきに巡行として、間隔を均一にしたほうがいいと。確かに、これなら待ってる側のイライラは減りそうです。これが日本の公共バスにも適応できればいいのに。