漱石の達観に脱帽


「科学者は論文で評価される」

 この実態は、1911年に夏目漱石が「道楽と職業」と題して講演した内容と変わらない。

 「博士の研究の多くは針の先で井戸を掘るような仕事をするのです。掘り抜きだから深いことは深いが、いかんせん面積が非常に狭い。それを世間ではすべての方面に深い研究を積んだもの、全体の知識が万遍なく行き渡っていると誤解して信用を置きすぎるのです」

針の先で井戸を掘るようなもの…まったくもってその通り。隣の人がどこを針でつついてるか、すら知らないことも多いですから。