除草剤耐性の遺伝子組み換え小麦


米農務省は29日、西部オレゴン州の農場で、除草剤への耐性を持つ遺伝子組み換え小麦が見つかったと発表した。米政府は遺伝子組み換え小麦を認可していない。同省は「事態を極めて深刻に受け止めている」として、本格調査に乗り出した。
 
 AP通信によると、この遺伝子組み換え小麦は人体への影響はなく、流通されたことも確認されていない。しかしオレゴン州の小麦の90%は輸出されており、米国内では日本など大口輸出先への影響を懸念する声が強まっている。
 
 同州内の農家が自分の畑で、除草剤が効かない小麦を発見した。
Modified Wheat Is Discovered in Oregon - NYTimes.com
日本語の記事では詳細がサッパリなのでNYTの記事を斜め読みしました。遺伝子組み換え小麦は、まだ世界中のどの国でも認可されていないので、オレゴンの畑にはえてるのは非常にマズい状況のようです。とはいえモンサント社が1998〜2005年に遺伝子組み換え小麦の試験栽培をしており、オレゴン州でも2001年まで試験栽培がおこなわれていたとのこと。まったく未知の遺伝子組み換えが起こったわけではなさそうです。
アメリカでは大豆とトウモロコシの大部分が遺伝子組み換えになりつつありますが、これは飼料や加工食品につかわれるためだそうです。対して小麦は消費者が直接口にするため、市場の抵抗が強いことが予想され、モンサント社も2004年に開発を諦めたとのこと。とはいえ、今回のようにコントロール外の作物が見つかった以上は、遺伝子組み換え作物に対する風当たりは強くなりそうです。