職員を守るために病院側からできること

給料は・・・比較的っつーか相当安い。日勤の時給も1800円以下だし、夜勤単価も言わずもがな。それでも働く気になった理由というのが、ここの病院では、職員全員に防犯ブザーを持たせているということ。(中略)
これは何に使われるかというと、まず第一に急変発見時のため。(中略)
もう一つが患者やその家族、もしくは招かれざる侵入者からの暴言、暴力などで職員が身の危険を感じた時のために。現在までには幸いそういう事例はまだ起きていないので、実際コトがあったときに、どこまで対応しきれるのかという例を引けないのであるが、その場合どういった流れで対応するかという細かいマニュアルは見せてもらった。表向きは相手が暴力を振るってしまう(暴行犯になってしまう)という取り返しのつかないことになるのを未然に防ぐ、というスタンスを取りつつ、結果的に我々職員の身を守るという意味を持つ、ってこと。
わたし自身、一ヶ月ばかり前患者に噛みつかれた(しかもその傷痕がいまだに残っている)わけで、しかもその時に、医療従事者が暴力被害に遭うということに対する世間からの、いや身内からの捉えられ方につくづくガックリきていたということもあって、この病院のように「職員の身の安全を最低限は守る努力はしてますよ」という明確な意思表示がなんだか妙に新鮮に思えたもので。それが「ここでちょっと働いてみるか」と思った理由。

実際に患者・患者の家族、もしくは侵入者からの暴力や暴言の事例がないのに、対策マニュアルを作ったり、職員に防犯ブザーを携帯させたりする病院は素晴らしい。いや、病院に限らず、事前に職員を守るべき対策を取れる組織・会社っていいよね。給料が少なくても「ここでちょっと働いてみるか」と思わせる環境は、それだけで勝ち組。
それにしても医療従事者がここまで自衛しなきゃいけなくなるなんて、モンスターペイシェントはどこまで暴れれば気が済むんだろうか。そろそろ法的に厳しく取り締まるべき時が来てるとは思う。実際に逮捕や訴訟を起こすのは難しいんだろうけど、一歩を踏み出さないとズルズルとslippery slopeを下り続けるだけだ。