魅力的すぎると気安く近寄れない

 ジョージア州立大学の心理学者ジェームズ・ダッブス博士が、とても面白い実験を行っているので紹介しておこう。

 ダッブス博士は、魅力的な男女と、そうでない男女を道端に立たせて、470名の歩行者が、どれくらいの距離をあけて通り過ぎるのかをこっそりと観察してみた。

 すると、魅力的な男性(あるいは女性)が歩道の一番端に立っている場合、歩行者は、かなり距離をあけて通過することがわかったのである。

 面白いことに、「魅力的でない」人では、実験中だというのに、歩行者に声をかけられたり、デートに誘われることもあった。しかし、魅力的な人に声をかける歩行者は、ゼロであった。魅力的でないほうが、歩行者は気を許して接近しやすいのである。

へぇ〜こんな面白い研究があるのか、と思って「ダッブス」という日本語名だけを頼りに検索してみました。
Beauty is Power: The Use of Space in Sidewalk. Dabbs JM and Stokes NA. JSTOR: SociometryVol. 38, No. 4 (Dec., 1975), pp. 551-557
33年前の論文ながら興味深いです。近づきがたいほどの美人というのも世の中にいますが、"What is beautiful if unapproachable" (Stokes and Bickman 1974; Dabbs and Stokes 1975)というのは人類共通の概念なんでしょう。しかし「魅力的でない人は実験中に声をかけられていた」という記述は見つからないような・・・どこに書いてあるんだろう。
あと著者のダッブスさんというのは>社会心理学者として性差と行動、特にテストステロンの影響を研究した人だそうです。残念ながら数年前にガンで逝去されていますが、男性ホルモンが多い人の方が社会的に成功するといった、今日の我々の多くが耳にした事のある研究を数多く手がけた研究者です。
James Dabbs

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