力士間での「格闘家ヘルペス」感染

「格闘家ヘルペス」として知られるHSV-1の変異型「BgKL」は、再活性化するまで潜伏しているためより感染が広がりやすく、また、ほかの型よりも重い症状を引き起こす。ウイルスを含んだ痛みを伴う発疹が顔や首にでき、皮膚を損傷するほか、熱、頭痛、リンパ節感染を引き起こす場合もある。格闘家ヘルペスは感染性が高いため、発疹がみられるアスリートは通常、伝染を予防するため試合に出ることができない。

 厚労省国立感染症研究所(National Institute of Infectious Diseases)の柳壹夫(Kazuo Yanagi)氏率いる研究チームは、1989年から1994年に格闘家ヘルペスと診断された都内の力士39人の血液サンプルを調べた。その結果、一度しか感染しなかった力士もいれば、何度も発症を繰り返す力士もいたことが明らかとなった。

 力士間の格闘家ヘルペスは、住居や訓練を共にする相撲部屋で感染したと研究チームでは推測している。柳氏によると、これまでに同ウイルス感染で力士2人が死亡しており、こうした症例について調査が必要だと強調している

俺が読まなくて誰が読む、って論文ですなw 著者名からググってBBC NEWS経由で論文を見つけました。
オリジナル論文→ Analysis of herpes simplex virus type 1 restriction fragment length polymorphism variants associated with herpes gladiatorum and Kaposi's varicelliform eruption in sumo wrestlers. Ban F et al. Journal of General Virology 2008 Oct;89(Pt 10):2410-5. PMID:18796708
概要は日本語記事に書いてあるとおりです。1989〜1994年にサンプル調査に協力したのは、友綱高砂、尾車、二所ノ関、立浪、九重、出羽の海、若松の8部屋。「ウイルス感染で死亡した」というは、1989年に検査を受けてから2ヵ月後に頭痛を訴えて亡くなったのと、1990年にヘルペス脳炎で亡くなったケースが挙げられています。
素肌でぶつかり合う相撲は感染症対策も必要ですね。ヘルペス感染が認められた力士の損傷場所の一覧もあったんですが、額(9)、耳(3)、首・首筋(3)などぶつかり稽古で当たる場所が多いです。問題は「格闘家ヘルペスは感染性が高いため、発疹がみられるアスリートは通常、伝染を予防するため試合に出ることができない」ってところですよ。安馬どうすんだ?!