大相撲初場所 千秋楽

一言で表すなら「今場所も 終わってみれば 朝青龍」。5・7・5調がNHK中継に相応しい名フレーズです。朝青龍が完全復活優勝を遂げるなど、場所前に予想した人がいたでしょうか。解説コンビの北の富士さん・舞の海さんは中継最後に謝罪の言葉を口にしましたし、横綱審議委員会はドルジの実力を手放しで褒めたくないのかガッツポーズにイチャモンをつけ、支持率低下中の麻生総理大臣は気の効いたコメントすら言えなかった上に悪魔にイチャモンをつけられ、踏んだり蹴ったりだったようです。ネット上のブログ等コメントを観察する限りは、一般人はドルジに対する印象を改めた模様で、これは嬉しく思います。マスゴミの言われなきバッシングを真に受けない方がいいよって一例ができましたね。にわかファンは置いておいてゴリラブーツの写真を見たときは感動しました。
ドルジ以外の力士について。横綱白鵬は強いけど、先場所と今場所の盛り上がりを比較するに、この人だけじゃ客を呼べないことが明白になりました。取組内容も磐石すぎるし、コメントはつまらんし、昔気質のお相撲さんチックではあるけれどドルジ抜きでは看板力士にはなり得ないですね。大関5人衆は別の意味でのクオリティの高さを見せつけてくれました。筆頭大関なのに横綱戦の日に休場しだす琴光喜。14日目に奇跡的な立会いの良さ→ひざつきコンボを披露した千代大海。前半戦は好調ながらも注目されるとバタつき失速する琴欧洲。引退を危ぶまれながらもゴッドハンド小手投げで若手力士の肘を破壊し続けた破壊王魁皇。そして「大相撲会を照らす光たれ」と四股名を変えて4連敗スタートし、ギリギリで勝ち越した日馬富士。もうこいつ等は優勝うんぬんとは別次元で相撲を盛り上げるピエロってことでいいんじゃないでしょうか。
関脇の把瑠都は、前半は覚醒したか?!と思ったものの、9日目の白鵬戦から失速してしまいました。とはいえ今年中には大関取りの声がかかるかもしれません。番付運がなく「永世小結」の名を欲しいままにしている稀勢の里が千秋楽で勝ち越しました。とはいえ西3枚目の豪栄道が二桁勝利で技能賞をゲットしてますから、空いている西関脇に上がれるかどうかは微妙なところでしょう。個人的にはこのまま小結の地位を温め続けて欲しいw
平幕の栃煌山は、把瑠都と同じく前半に目覚しい活躍を見せたのに後半に失速。師匠の春日野親方が「勝ち続けたと思ったら連敗する癖がある」コメントどおり、このムラッ気をどうするかが将来への鍵になると思います。同世代のライバル・豪栄道との一戦はワクワクしますから、これからも切磋琢磨するためにも上の地位に定着してほしいです。左手首の手術のために休場していた豊真将が幕尻で11勝を上げて敢闘賞をゲットというのは喜ばしいことです。来場所は平幕上位、ひょっとしたら役つき力士と当たるポジションまで盛り返すかもしれません。 最後は新入幕の山本山。その姿や親しみやすいコメントはもちろん、「武器は大きなお腹」や「俊敏なデブ」といった特徴ある取り口で勝ち越しました。ポスト高見盛を狙える貴重な人材として、怪我に気をつけ幕内に定着してください。
ダラダラと長く書きましたが、今場所は予想以上に盛り上がり楽しめました。この熱を大阪場所までキープすれば2年前から始まったスキャンダル続きの印象も多少は薄れ、足が遠のいている尊い一族にもお越しいただけるようになるかもしれません。がんばれ大相撲。