100円 ≠ 100円

 兵庫県に住む長谷川孝さん(72)=仮名=のもとに先月中旬、社会保険事務所から、保険料還付用の書類が届いた。だが、「¥100」と書かれた還付金を見てびっくり。「こんな金額を今さら返されても…」。あきれて声もでなかった。(中略)
 書類によると、還付されるのは、国民年金保険料と厚生年金保険料の支払いが重複していた昭和39年9月分の保険料。長谷川さんはこの月に転職しており、それぞれの年金保険料は、ともに会社を通じて支払われていた。当時は、私鉄の初乗り運賃が3円、そば1杯が46円の物価水準。今では取るに足らない100円の保険料も、ばかにならなかった金額だ。

 実は、昨年、社会保険事務所に行ったときも、往復約2400円の交通費がかかったという長谷川さん。今回来た書類には返信用封筒も同封されていたが、返信する気になれない。

 「だって、私が書類を返信したら、社会保険事務所の職員がわざわざ100円の還付のために、銀行振込などをするんでしょう? 人件費も含め、この費用と手間をもっと他のことに振り向けるべきではないでしょうか」

これはひどい。今の100円じゃ手数料と人件費がもったいないですが、納付したときの100円は「私鉄初乗り料金×33」じゃないですか。現在の関東地域の私鉄初乗り料金の最安値、東急で計算すると、110円×33=3300円になります。インフレ率を考慮しないで杓子定規で還付されても納付者を馬鹿にしてるとしか思えないです。