「今年の漢字」も危機

この日会見した同寺の大西真興(しんこう)執事長によると、森貫主は07年に理事に就任したが、理事会に出席したことはなかったという。大西執事長は「(森貫主は)名誉職のつもりで引き受けていた。理事としての責任を果たせず、認識が甘かった」と説明した。

 また、引き続き「今年の漢字」の発表に協力するかどうかについては、協会の体制の正常化を条件にあげ、「変わっていなければできない。依頼があった時点で判断したい」と述べた。「今年の漢字」は協会が公募し、森貫主が最も応募が多かった一字を大きな筆で書いて発表する年末の恒例行事。協会の鬼追明夫・新理事長は継続の意向を示している。

通勤電車のドアに「250万人の漢検」という黄色いステッカーを見るたびに苦々しい思いを抱いておりました。しかし「今年の漢字」まで廃止になるのは寂しいなぁ。あれは師走の風物詩として立場を確立した名企画だと思うのですが。実際に大きな筆をふるって「今年の漢字」を披露してきた森・清水寺貫主漢検理事だったとか。「名誉職のつもりで」引き受けてた人たちは、他にも明石康・元国連事務次長と、茶道裏千家の千玄室・前家元とそうそうたる顔ぶれです。そりゃ理事会もハリボテになるわ。納得。